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全てがスマートフォンやタブレットで制御される、IOTの時代が来たと言われています。照明もそれに準ずるように、無線照明制御製品が各社から出てきています。 ホームオートメーション、ビルオートメーションが進むこれからは、外せない技術になるでしょう。無線制御方式を分析してみました。 無線システムの構成機材は、無線接続機能を持った照明器具、点灯や調光などを設定するコントローラ、そのほかこれらを繋ぐゲートウエイなどで構成されています。 無線の方式や周波数など様など方式がありますが、データの保存場所の方法で幾つかの方式に分類してみました。

 

クラウドデータ方式

照明器具をゲートウエイ経由でインターネットに繋ぎます。データはインターネット上にあるクラウドコンピュータに溜まります。制御はネットワークに接続できる機材であれば、どこからでもコントロールできます。地球の裏側からでも制御可能です。データが一カ所に溜まるので、幾つかの店舗をもつチェーン店などは、まとめて制御・監視できるのは大きなメリットです。壁スイッチからのデータでシーン設定を呼び出すこともできるので、様々な操作デバイスが選べます。デメリットは、ネットセキュリティが厳しい場合などは導入が難しくなります。大光電機のD-SAVEがこれにあたります。

ゲートウエイデータ方式

照明器具と無線で繋がるゲートウエイにPC機能を内蔵し、ゲートウエイにデータを溜める方式です。ゲートウエイの無線機能は二つあり、器具と繋ぐ機能と、操作するスマートフォンなどと繋ぐ機能です。スマートフォンからゲートウエイに制御データを送り、ゲートウエイが照明器具それぞれにデータを送り制御します。構成としては比較的コンパクトであり、改修導入などにも適する方式です。山田照明のエコワインなどがこれにあたります。

ネットワークデータ方式

ゲートウエイデータ方式の拡張になります。それぞれのゲートウエイのデータを有線ネットワークに繋ぎ、接続されたPC上にデータを溜める方式です。それぞれの方式の拡張方式として使われる場合があります。

端末データ方式

ゲートウエイを併用する場合と、コントローラとなるスマートフォンやタブレットがゲートウエイを兼ねる方式があります。タブレットなどの操作で、各照明器具に、直接又はゲートウエイ経由で制御データが送られます。データはタブレットに溜まります。遠藤照明のSmartLEDZはこの方式です。端末にデータが溜まるため、複数のコントローラの併用やデータのバックアップは難しくなります。SmartLEDZは大規模施設などの場合、ネットワーク経由でPCにデータをバックアップする拡張機能もあるようです。簡単なものはデータの記憶ができないもののあります。

ハイブリッド方式

上記を併用した方式です。パンチルトフォーカスなどを無線制御できるミネベアミツミのSaliotは、基本はスマートフォンなどで端末制御のみですが、必要ならば操作しているスマートフォンのネット回線を利用してクラウドにデータを溜めることが可能です。

 

無線方式は、基本となる通信技術がとても早いスピードで進化しています。その為、方式を固めた時点で技術の陳腐化が始まる、器具メーカー側としては扱い難い技術です。これもあって、各メーカーの方式がバラバラになっています。国内だけでなく、海外も同様です。ユーザ側として、この便利な技術をいつ導入するかは難しい判断になります。

writer:馬場美次