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3月5日から四日間、東京ビッグサイトの西館でライティングフェアが開催された、国内の照明メーカーがメインの出展となります。

今回は専業メーカーの大光電機、オーデリック、山田照明のが出展ぜす、ライティングフェアは今ひとつ盛り上がりに欠けた展示会でした。一方、東館で開催されていた JAPAN SHOPなどは盛況で、登録所は長蛇の列で、多くの人が来場していました。東館の来場者が西館まで届いていない感じです。

メーカーが展示会に出展しない理由、出展しても新規顧客が得られるのは少ない、プライベートショーの方がより製品を知ってもらえる。出展経費が高い、などが想定されます。照明業界ではありませんが、以前JAPAN SHOPの出展をとりやめたメーカーも同じ事を言ってました。

ライティングフェアはIALD(国際照明デザイナー協会)のEnlight Asiaなども併催され、照明デザイナーも多く来場する、デザイン周辺情報も多いアカデミックな要素も多い展示会です。海外で同様な展示会は、米国のライトフェアがあります。多くのセミナーが行われ、製品展示よりアカデミック指向です。一方、欧州は製品展示の方がウエイトが高くなります。フランクフルトで開催されるライトアンドビルディング、デザイン的にポテンシャルの高いミラノサローネの併催展示会ユーロルチェがあります。特に欧州の二つ展示会は、世界中から多くの人があつまり、盛り上がっています。

日本のライティングフェアが盛り上がらない原因はどこにあるのでしょうか。最大のポイントは面白い製品、面白い展示では無いからです。ミラノサローネなどは、日本のインテリア系の雑誌などに取材特集としてが多く取り上げられます。雑誌を通してみても、面白さ、トレンド、ポリシーなど記事になる内容が沢山あります。デザイントレンドを創り出すメーカーが、今年はどんな事を仕掛けてくるか、どんなトレンドを見せるのか。現地では「ワクワク」が沢山転がっています。

結局、日本のメーカーはその「ワクワク」を創り出す事ができないのです。多くの社内スタッフを、毎年欧州の展示会に派遣しています。世界の照明デザインのポテンシャルのレベルは情報として知っているはずです。それを見て、日本のライティングフェアも同じように盛り上げようと思わなかったのでしょう。出展しなかったメーカーは「ワクワク」創造に敗北宣言をしたのです。

国内照明メーカー中堅4社、遠藤照明、オーデリック、コイズミ照明、大光電機と老舗2社、YAMAGIWA、山田照明がその期待のポジションにいると考えます。6社中2社しか今回は出展していません。展示会の盛り上がりが全てとは考えません。米国のライトフェアなども、かなり前から中堅にあたるメーカーは出展していません。各社色々なポリシーがあり、経営も絡みどう動くかは難しい判断であるのは想像できます。

米国、欧州、中国の展示会を見て、一番盛り上がりにかける日本の展示会。次回は「ワクワク」が沢山あって欲しいと思います。これは筆者の考えだけではないでしょう。

欧州で開催される、最も有名な照明の展示会は二つあります。偶数年にフランクフルトで開催されるLight & Buildと、奇数年にミラノで開催されるMilanoSalone内のEuro Luceです。

■ Light & Build

照明器具メーカーだけでなく、電設設備関連会社も出展します。messe frankfurt会場を全体を使い、出展社約2500、来場者は約21万人、欧州では最大の照明関係の展示会になります。照明器具の「Lightゾーン」ではドイツメーカーのERCOやMAYERや、イタリアのFlosやArtemideなどのハイブランドから、安価な量産メーカー、LEDや有機ELなどの部品メーカーなど色々出展しています。電気設備の「Buildingゾーン」は、分電盤や工具などから制御規格など、こちらも幅広い製品が展示されています。

■ Euro Luce

家具の展示会であるMIano Saloneは毎年、ミラノ郊外のRhoの見本市会場Fieramilano開催されます。そのなかでキッチンの展示会EuroCucinaと交互に隔年で開催されるのがEuroLuceです。入場者数は31万人会場全体では2,300社、EuroLuceだけでは500社弱の出展数です。イタリアのFlosやArtemideの他、北欧のlouis poulsen、スペインのVIVIAなど、いわゆる意匠照明メーカーが新製品を展示します。MIano Saloneは会場だけでなく、FuoriSaloneと呼ばれる市内でも同時に様々な展示が行われていて、こちらも面白い発表が多くされています。デザイントレンドを感じるイタリアの1週間です。

今年2018年はLight &Buildingが3月18日から、ドイツフランクフルトメッセで開催されます。LIGHTING NEWS JAPANは今年も取材を予定しています。

writer:馬場美次